バッテリー劣化の判断
今までバッテリーは、走行距離やバッテリー自体の使用年数を目安に、車検のタイミングで交換をおすすめするのが大半でした。
しかし、バッテリーの劣化とは目に見えないものです。実際に明確な基準をもって交換しているわけでもないので、交換判断が難しいのも事実です。「ダメになったら交換」というのもよろしくないです。バッテリーがダメになるというのは、エンジンが突然かからなくなる(始動不良になる)からです。
バッテリー上がりを経験したことのない方のために、一応説明いたしますと…
キーをひねる、またはプッシュボタンを押すときに「キュルキュル…」とクランキングしてエンジンがかかるものが正常だとすると
「キュン…カカカカカ…」とクランキングしない状態←エンジンがかかりません💦
これは経験した人はわかると思いますが、出先で起こると血の気が引きます(笑)😨
最近のバッテリーは性能が良いせいなのか、家を出るまでは何事もなくエンジンがかかっていたものが、買い物などで車を止めて「さて帰ろう」というタイミングで突然‘’最後‘’が訪れることがあったりします。
私も、このパターンでバッテリーの最後に遭遇した経験があります☠️
「死神に目を付けられた」とでも言うのが適切でしょうか、そんな絶望感に襲われます。
交換すればよい話なのですが、交換するかどうか悩むところの場合、バッテリー劣化の基準を数値で管理しなければいつまでたっても、この死神の恐怖から逃れることができません💀
CCAという数値
バッテリーの性能の一つにCCA(コールドクランキングアンペア)というものがあります。CCAはネットで調べれば詳しく出ていますのでここでの説明は割愛させていただきます。
そのCCAが測れるテスターが、手頃なお値段で出回ってるので試してみました。
今回購入したテスターはこちら
数あるバッテリーテスターの中でも最安のテスターです(笑)😂
CCAが測れればいいのです。便利な機能などいりません。
もっと上位機種を買っても良かったのですが、そうするとテスター任せでバッテリー交換の目安ができてしまいそうで…そういうの嫌でした。
紙に印字された数値を見て「テスターがこう言っていますので交換しましょう」というような言い方はしたくありませんでした。そんな機械任せでは死神の恐怖からは逃れられないとでも言いましょうか…(笑)
実際のCCAの数値から考える
某1500ccのガソリンエンジン車のバッテリー。
5、6年使用、走行距離は2万㎞と少なめです。
交換前にテスターをかけた数値です↓
サイズは38B19LなのでJIS規格から見るCCA値は265になります。
今回はCCA入力を適当に300にしてありますが、ここは265と入力するのが適切です。
調べるのが面倒だったためそうしましたが調べればちゃんとわかります。
実際は265のはずが197ですので(小数点以下切捨て)
197÷265=0.74なのでCCA74%となります。
色々なところで70%以下になるとダメだと言われますが、現状ではこの車問題なくエンジンはスタートできました。
しかし実測値CCA197というのは実はこの車に対して低い値(バッテリー交換時期)である可能性が高いのです。
排気量からみるCCA
エンジンは大きくなればなるほどクランキングさせるのに大きな力(電流Aアンペア)が必要になります。
バッテリー単体でCCAを測定して良否判定もいいのですが、その車両に対して必要なCCAもあるのでそれも合わせて参考にすると良いでしょう。
排気量別推奨CCA
660cc→CCA200
1000cc→CCA260
1500cc→CCA300
2000cc→CCA330
3000cc→CCA400
というようになっています。
この測定した1500ccエンジンの推奨CCAは300なので、それに対して197ということは65%となります。
排気量も考慮して70%(CCA210)も合わせて目安にするといいのでは?と思います。
それと、この車両のバッテリーサイズがもともと(新車搭載時?)38B19Lでしたが、新たに交換する際は補給部品として40B19Lがやってきます。
40B19LのCCA値は270ですので1500ccのエンジンですと44B19LのCCA値310あたりのほうが良さそうに感じます。どうなのでしょう?
しかし今回使用のACデルコ製の40B19LのバッテリーにはCCA340と表記されています。JIS規格バッテリー別CCAとは値が違うのですがどういうことでしょうか??そろそろ混乱してきました(笑)
深く考えるのはヤメにして😅CCA340あるのであれば、1500ccに搭載するには問題無いと考えました。
新品バッテリーのCCA
CCAバッテリーテスターによっては、バッテリーが車両搭載状態と外れている状態では数値が違うと説明しているものもあります🤔
もちろんこのテスターではそれを区別して測定する機能など無いので、実際の数値をから考えてみたいと思います。
まず、バッテリー単体。新品の取り付ける前の状態です。
(ACデルコ)基準CCA340に対して実測CCA392→115%
そのまま車両に取り付けて計測
基準CCA340に対して実測CCA388→114%
この結果より、計測誤差程度で取付け・取外し状態でCCAはそれほど変わりない様子です。
そして100㎞程度通常の市街地走行をした直後に計測してみると
基準CCA340に対して実測CCA421→123%
充電され数値が上がったようです。
交換した直後なので当たり前なのですが、これだけあれば安心と言えます。
なぜCCAテスターなのか
走行距離が極端に少なかったり、始動・停止の繰り返しが多い、ライト点灯、電装品の負荷などによってもバッテリーの消耗具合は違います。
そこでうっかりルームライトの消し忘れ、エンジン停止時にライトつけっぱなしでどれだけバッテリーが上がらないか?まで考えると、安全許容を多めにみてバッテリーを交換しても良さそうです。
例えば、小型車のバッテリー交換費用は5000円~10000円程だとします。この金額はガソリン満タン1,2回入れたくらいと同じです。それで死神の恐怖から解放される😅のならば、早めにバッテリー交換した方が精神的に良いかと思われます。
CCAテスターを使うと、バッテリーの外観や電解液の比重・量などをあまり考えないで、テスターの数値のみで交換を判断できるので、実はDIY向きと言えます。テスターは安価で、使い方も簡単なのでユーザー自身で、バッテリーの劣化状態を管理し、交換することもそれほど難しくはありません。
その時は、「排気量別推奨CCA」と「JIS規格バッテリーのCCA基準値」の両方の数値と、実測値CCAを比較して、早めにバッテリー交換をすることが大切になります。
一人でも多くの人がバッテリー上がりをしませんように…